昨日「地域づくりとデジタルグリッド研究会」のメンバーとともに、デジタルグリッドを提唱・推進している、東京大学の阿部力也先生の研究室にお邪魔したときに、一部で噂のデジタル・グリッド・ルーターを見せていただいた。
じゃじゃ~ん!
「写真」
これは導通というか発電テスト?用の装置。周りは耐火レンガ
「写真」
■■デジタルグリッドとは■■
「電力と情報を融合した次世代の送電網です。より信頼性のある送電網を構築し、エネルギーの経済性を向上し、また再生可能で柔軟性のあるエネルギー発電の普及を可能にします。デジタルグリッドは「エネルギーのインターネット」を目指しています」(HP1より)
あるいは
「広域の同期系送電網をセルとよばれる中小規模に分割し、非同期的に接続して電力の融通を制御」(同)
言い換えると
「電気のコンバーターにIPアドレスを持たせルーター化し、双方向への電気の流れをコントロールする」(まんも)というものだ。
それにより
「特定の場所で、特定の方法により発電された電気を、特定のタイミングと特定の料金で、特定の場所に届けることができる」(まんも)ということだ。
原理的には判ったような気がするが、実際のところあまり良くわからない。インターネットができる前に、インターネットの概念をいかに伝えても、殆どの人が判らなかったのと同じようなものだろう。
この技術・仕組みは、我々の暮らしや生活にどのような影響を与えるのだろうか・・・
■■自然エネルギー100%は可能か■■
太陽光や風力など再生可能な自然エネルギーがもてはやされているが、一方で未解決の問題も残っている。
再生可能エネルギー多くは、需要にあわせた出力が行いにくく、従来の同期系送電網では30%程度を超えると、大規模停電などのリスクが高まるということだ。
それを防ぐための系統の冗長化は平常時の利用率が極めて低く、資源の浪費につながりコストも極めて高くなる。
この問題はスマートグリッドでもなんら解決できない。
インターネット同様のロバストネス(強靭さ)を持つデジタルグリッド(と電力のストレージ=蓄電)により、100%の自然エネルギーが可能になる。
発電コストや送電ロスの問題は、原則として燃料費のかからない自然エネルギーの場合、殆どが設備費にかかるものである。
発電効率とスケールメリットの向上により低減する性質のものだ。
■■期待の表れ: 寄附講座とコンソーシアム■■
そんな「将来はノーベル賞か?」と思われるような研究のため、東京大学学長直轄の寄附講座に選ばれ、コンソーシアムが組織されている。
現在は海外の大学や研究所、海外メディアからの関心が高く、共同研究の申し入れも多々あるという。
我々ニューアカ世代のエコロジストにはバイブルのような「ソフト・エネルギー・パス」の著者、エイモリー・ロビンスも近々訪れてくるそうだ。
■■地域にとっての脱原発・自然エネルギー■■
さてさて、ここからが本論。
原子力発電をはじめとした電源開発が、地域の社会資本整備や雇用創出に役立った側面は無視できない。
一方で、補助金依存の経済(=モノカルチャー)にシフトすることにより、地域に根ざした多様な産業の衰退と、多様な人材の集うコミュニティの崩壊を産んだ側面も無視できない。
この問題は、原子力を自然エネルギーに替えたとしても、全く同じように起こりうることだ。
自然エネルギー100%にシフトするためには、経済的にも文化的にも、自然環境も豊かな地域社会を同時に作り出す処方箋、あるいは方法を持たねばならない。
我々「地域づくりとデジタルグリッド研究会」は、山村・離島と都市双方の地域コミュニティの多様さ(ダイバーシティ)と強靭さ(ロバストネス)を高めつつ自然エネルギーにシフトするために、デジタル・グリッドの仕組みが相当有効なのではないかと直感している。
阿部先生に相談して、勝手連ならぬ勝手研究会を作らせていただき、主に文系の人間が考察と議論を進めてきた。
今後は、現場の地域に出向き、ヒヤリングと議論を進めていこうと考えている。
■■デジタルグリッドルーター(DGR)の現物を見た!■■
デジタルグリッドで使われている用語はとても難しい。インターネットの知識は当然知っていなければならないず、その上で電気の知識が必要だ。電気も弱電・情報系・電子系(エレクトロニクス)、重電・動力系・電気系(エレクトニクス)の双方の知識が必要だ。(この区分けは合ってるのかな?)
ヒヤリングをするにしても、地域社会とどのように接点があるのか、からきし説明の自信が無かった。
そんな不安を解消するためか、阿部先生が実験中の装置(DGR)を見せてくださるという。
写真がそのDGRの中身だ。
段ボールに乗ったり、ごっついスイッチがついたりして、こういったら叱られるが、超アナログ。
当方情報系はそこそこ強いが、電子も電気も弱く、説明されてもあんまり判らないが、段ボールを見たとたん、とても嬉しくなってしまった。
恐る恐る「写真とっても・・・」と切り出したところ「どうぞどうぞ」と気軽におっしゃる。
そんな阿部先生を見ていて、南方熊楠が、明治天皇にマッチ箱に詰めた粘菌をお見せしたエピソードを思い出してしまった。
【デジタルグリッド・コンソーシアム】
【地域づくりとデジタルグリッド研究会】
「電力と情報を融合した次世代の送電網です。より信頼性のある送電網を構築し、エネルギーの経済性を向上し、また再生可能で柔軟性のあるエネルギー発電の普及を可能にします。デジタルグリッドは「エネルギーのインターネット」を目指しています」(HP1より)
あるいは
「広域の同期系送電網をセルとよばれる中小規模に分割し、非同期的に接続して電力の融通を制御」(同)
言い換えると
「電気のコンバーターにIPアドレスを持たせルーター化し、双方向への電気の流れをコントロールする」(まんも)というものだ。
それにより
「特定の場所で、特定の方法により発電された電気を、特定のタイミングと特定の料金で、特定の場所に届けることができる」(まんも)ということだ。
原理的には判ったような気がするが、実際のところあまり良くわからない。インターネットができる前に、インターネットの概念をいかに伝えても、殆どの人が判らなかったのと同じようなものだろう。
この技術・仕組みは、我々の暮らしや生活にどのような影響を与えるのだろうか・・・
■■自然エネルギー100%は可能か■■
太陽光や風力など再生可能な自然エネルギーがもてはやされているが、一方で未解決の問題も残っている。
再生可能エネルギー多くは、需要にあわせた出力が行いにくく、従来の同期系送電網では30%程度を超えると、大規模停電などのリスクが高まるということだ。
それを防ぐための系統の冗長化は平常時の利用率が極めて低く、資源の浪費につながりコストも極めて高くなる。
この問題はスマートグリッドでもなんら解決できない。
インターネット同様のロバストネス(強靭さ)を持つデジタルグリッド(と電力のストレージ=蓄電)により、100%の自然エネルギーが可能になる。
発電コストや送電ロスの問題は、原則として燃料費のかからない自然エネルギーの場合、殆どが設備費にかかるものである。
発電効率とスケールメリットの向上により低減する性質のものだ。
■■期待の表れ: 寄附講座とコンソーシアム■■
そんな「将来はノーベル賞か?」と思われるような研究のため、東京大学学長直轄の寄附講座に選ばれ、コンソーシアムが組織されている。
現在は海外の大学や研究所、海外メディアからの関心が高く、共同研究の申し入れも多々あるという。
我々ニューアカ世代のエコロジストにはバイブルのような「ソフト・エネルギー・パス」の著者、エイモリー・ロビンスも近々訪れてくるそうだ。
■■地域にとっての脱原発・自然エネルギー■■
さてさて、ここからが本論。
原子力発電をはじめとした電源開発が、地域の社会資本整備や雇用創出に役立った側面は無視できない。
一方で、補助金依存の経済(=モノカルチャー)にシフトすることにより、地域に根ざした多様な産業の衰退と、多様な人材の集うコミュニティの崩壊を産んだ側面も無視できない。
この問題は、原子力を自然エネルギーに替えたとしても、全く同じように起こりうることだ。
自然エネルギー100%にシフトするためには、経済的にも文化的にも、自然環境も豊かな地域社会を同時に作り出す処方箋、あるいは方法を持たねばならない。
我々「地域づくりとデジタルグリッド研究会」は、山村・離島と都市双方の地域コミュニティの多様さ(ダイバーシティ)と強靭さ(ロバストネス)を高めつつ自然エネルギーにシフトするために、デジタル・グリッドの仕組みが相当有効なのではないかと直感している。
阿部先生に相談して、勝手連ならぬ勝手研究会を作らせていただき、主に文系の人間が考察と議論を進めてきた。
今後は、現場の地域に出向き、ヒヤリングと議論を進めていこうと考えている。
■■デジタルグリッドルーター(DGR)の現物を見た!■■
デジタルグリッドで使われている用語はとても難しい。インターネットの知識は当然知っていなければならないず、その上で電気の知識が必要だ。電気も弱電・情報系・電子系(エレクトロニクス)、重電・動力系・電気系(エレクトニクス)の双方の知識が必要だ。(この区分けは合ってるのかな?)
ヒヤリングをするにしても、地域社会とどのように接点があるのか、からきし説明の自信が無かった。
そんな不安を解消するためか、阿部先生が実験中の装置(DGR)を見せてくださるという。
写真がそのDGRの中身だ。
段ボールに乗ったり、ごっついスイッチがついたりして、こういったら叱られるが、超アナログ。
当方情報系はそこそこ強いが、電子も電気も弱く、説明されてもあんまり判らないが、段ボールを見たとたん、とても嬉しくなってしまった。
恐る恐る「写真とっても・・・」と切り出したところ「どうぞどうぞ」と気軽におっしゃる。
そんな阿部先生を見ていて、南方熊楠が、明治天皇にマッチ箱に詰めた粘菌をお見せしたエピソードを思い出してしまった。
【デジタルグリッド・コンソーシアム】
【地域づくりとデジタルグリッド研究会】
- 山本真人さん、永野聖美さん (需要研究所)
- 大場達夫さん、後藤真由美さん (森のエネルギー研究所)
- 西田穣さん (杉並・地域エネルギー協議会/環境自治体会議)
- アドバイザー: 東條巌さん(数理技研会長)
コメント
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