セカンドシングル初の誕生日の55歳。ほんのふた昔前なら今月末で定年ですね。
さてその夜、ワシはどなたとお会いしているかというと...
青梅市河辺の「森のエネルギー研究所」さんで「地域づくりとデジタルグリッド研究会」の会合に来ています。
【「地域づくりとデジタルグリッド研究会」の方々】
メンバーで今日の会議スペースを提供してくださっているのは「森のエネルギー研究所」略して「森エネ」さんは、バイオマス発電を中心とした、森林資源のカスケード利用、コ・ジェネ(熱と電気)利用を推進しているオーソリティ。
代表の大場龍夫さんは、一橋大学の室田ゼミの水車小屋運営や、環境自治体会議などにも長く関わっている方。
そして、若いプロデューサーの後藤真由美さん。
研究会をリードするのは「需要研究所」の所長の山本さんと職員の永野さん。
山本さんはインターネット初期にすでに「インターネット共創社会-野のネットワークに向けて」という本を出されていたし、最近刊の「宇宙卵を抱く-21世紀思考の可能性」という論考を発表されている。
現代思想から社会科学全般、特に文化人類学、コミュニケーション論、ボランタリー経済、また研究テーマの宮沢賢治とクリストファー・アレクサンダーには詳しく、私の師匠のお一人だ。
神保町の一角で本に囲まれて過ごしている、現代の仙人とでも云うべき雰囲気。
ちなみにワシの蔵書は、この方の蔵書と半分くらい重なっていて、師匠に紹介することもあるのが喜びなのだ。
今日はお休みだが西田さんという方もメンバー。地域生活研究所常任理事で、環境自治体会議をはじめ、さまざまな公的機関やNPOに関わっており、地域のエネルギービジョン作りやまちづくりのコンサルタント活動をされている。
やはり今日はお休みだったが、長野県飯田市の「お日さま進歩エネルギー」の方もメンバーだ。
実際に市とともに太陽光発電を推進するべく、インキュベーション的な役割を果たしている。
2011年から1~2ヶ月に一度のペースで会合を持ち、検討と仮説づくり、ビジョン構築を継続している。
【デジタルグリッドとは】
さて、そもそも研究テーマ中の「デジタルグリッド」というのは、東京大学の阿部先生が提唱して実証研究している送電技術のことだ。電力をインターネットのようにルーティングして送電する、分散型の送電網。
発送電分離、電力自由化の流れの中で、スマートグリッドのコンセプトを具体化する技術としても注目されているが、特徴は自然エネルギー(再生可能エネルギー)に適した電力網だということ。ヨーロッパの電力先進地域の用に、電力の産直、指名買いやブランド化も可能になる。
【地域づくりと再生エネルギー】
太陽光、水力、風力、バイオマス、あるいは地熱や波力も含め、中山間地や所謂僻地にこそ豊富な自然エネルギーは、再生可能で気候変動への影響も少なく、放射能や有害物質のリスクも少ないエコロジカルなエネルギーではあるのは皆さん承知のこと。
しかし、需要に合わせてコントロールがしにくいというのが、マイナスポイント。
しかし、デジタルグリッドをはじめとした新しい電力網のコントロールと、完全自由化による需給市場のコントロールにより、最適な発電源の組み合わせと需給マッチングが可能になるのではないかとみられている
地熱や波力、大規模バイオマスなどは原子力発電に替わるベースライン電源としても使いうるし、遠くない将来には、化石燃料に替わるピーク時電源としても自然エネルギーを活用することができるようになるかもしれない。
【地域づくりとデジタルグリッド研究会】
この技術を、実際に地域興しにつなげたい、あるいは地域主導の電力網構築の際の一つの方法として検討して行く、というのが会のテーマである。
札束でほっぺたを叩き、コミュニティーを壊すやり方ではなく、自然を活かした産業の助けとなりつつ、コミュニティの維持再生を可能にすることになるのではないか。
トレイルランやラン企画でできたご縁を元に、地域を起こしを今後の仕事にしていきたいと考えている自分にとって、とても意味のある会合。
自分も中山間地域に拠点を設け、継続的な関わりを強化していきたいと考えている。