村営ということもあってか、帰りの西東京バスの路線まで、村営のマイクロバスが100円で送ってくれた。普通のバスだと300円は取られる距離だ。
運転手のおじさんはピンチヒッターでのお役目らしい。運転手さんと二人きりなので、しばらくおしゃべりをした。
小菅村は、平成の大合併でどことも市町村合併ができず、過疎の悩みが深刻らしい。
運転手のおじさんは昭和15年生まれの69歳らしいが、過疎のせいで手が足りず村の役を10いくつもこなさねばならないらしい。離農する人の畑の面倒も何箇所も見るという。離れた部落との公共交通の確保も役目の一つという。全てがボランティアではないだろうし、頼りにされているという働き甲斐もあるだろうが、それはそれで大変なことだ。
4LDKの村営住宅が18,000円で借りられたり、光ファイバーを敷設するなど若い世帯の招致策を講じているが過疎化は止まらず、1,200人以上いた人口も900人程度になってしまったという。多摩源流大学という施設があって、東京農大や法政の学生が来るようになったが、なかなか居つかないとこぼしていた。
家賃18,000円で、畑も安く借りられるとしたら、在宅できる仕事であれば何とかなるかもしれない。
小菅村は山梨県だが、多摩川の源流に当たる。そういう東京都のご縁がありながら、今まで何も知らなかったし訪れることもなかった。同じような悩みは東京のすぐ近くにあるのだろう。この後、東京の水源の森をトレイルランの隠れテーマにしつつ、様子を探ってみようと思う。