尾瀬国立公園の約4割の土地を所有する東京電力が、福島第一原子力発電所事故による補償金捻出のため、尾瀬の土地を売却する可能性が浮上したそうだ。群馬県知事は絶対阻止すると云っているそうだが・・・。
そもそも国立公園や自然環境を売買の対象、それも流動性の高い(=換金性の高い)資産とするというのがおかしなことだ。
たとえばNPOが閉じる時に累積した利益が残る場合があるが、資金を出した人に分割されず公的な財産になるのと同様、公益企業の、それも自然資産のような公的資産は最後の最後まで株主利益には供されず、最終的に公的な財産として国なり県なりに返却されるべきなのだ。
原発補償をするときは政府=税金や料金に転嫁させるために公益性を云い、一方では公益性を捨て一私企業になるということなのだろう。私企業にもいろいろあるが、エコとは程遠いエゴな会社。
原発立地では札束でほほを叩き、地域の人心・結束と自然共棲型の地域経済を台無しにした東京電力。売却による資金の引き上げも、構図と品性は同じに思える。
山や自然を大切にし、資源を使わせてもらいつつ共に生きていたいという気持ち、環境共棲の時代の流れと逆行している。自然エネルギー派への交換条件のようでもあり、尊大さと卑しさを感じる。
国立公園に関する法令はいろいろと抜け道がありそうで、切売りすることは避けたほうがいいだろう。税金で原発のつけを払うのも釈然としないが、やはり県か国が買い上げるのがいいのだろう。一旦県か国に買ってもらい、トラスト運動で再び買い上げるというスキームはどうだろうか。
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