走り始めて良かったことは数えきれない程あるけれど、その一つに「言い訳抜き」の気持ちよさというのがある。
「ノーガードで闘う」サッパリ感というのかな。
膝が故障で…、忙しくて練習不足…、足にマメができて…、始めてのコースだから…、寝不足で…エトセトラ
レース直前になると、これでもかと言うくらい不調の理由が湧いてくるものだ。
そう、不本意な成績に終わった時に自分が傷付かないように、予めガードしておく訳だ。
そして身体の方も、あちこちにテーピングして疲れや痛みの発生に備えておく。
そんな自分だったけれど、3年前信越五岳で、圧倒的な速さで女子優勝したジェン・シェルトンを見て、自分が情けなくなっちゃった(笑)
タイツやテープで身を固め、ハイドレと装備を詰めたザックを背負った多くの日本男児を、小柄な身体に黒のセパレート、手にボトルだけで鮮やかに抜きさったジェン。
もちろんサポートタイツもテーピン
グもなし。
当然ながらレースやコース、自身に対する不安や不満は聞こえて来ず、恐らく誰よりもレースを楽しんだことだろう。
勿論、山や自然を相手にするスポーツは自分の力を過信せず、あらゆる状況、それも上手く行かない時に備える慎重さが必要だ。
しかし不安や懸念を口にして、起こる前から他人に言ってしまうのはまた別のこと。
痛いと言って痛みが消える訳じゃないけれど、ダイジョウブと笑っていれば、多少は忘れることもできる。
以来私も、身体とココロはノーガード。
最近は、一旦慎重に調子をチェックしたら、思い切って"Evrything is all right!" "きっと、ダイジョウブ♪"と宣言してしまうよう。
簡単にはリタイアしたり、やめる理由が見つからなくなる。以前よりずっとランやレースを楽しめるようになった気がする。