都の水源林買収と同じ面(2010/4/6日経新聞朝刊)に、「あきる野市が森林整備事業を強化する」と記載されていた。
「企業や市民の寄付にも対応できる基金創設」、「学習や体験のための用地買収」などの記載もあり、こちらも気になる動きである。
あきる野市のどの辺りかは定かではないが、東半分には山林が少ないため、おそらく秋川の支流で、北の養沢川や南の盆堀川あたりの山林だろう。
金毘羅尾根、戸倉三山(臼杵山、市道山、刈寄山)など、ハセツネ(日本山岳耐久レース)やハセツネ30Kでおなじみの地域でもある。
トレイルランで、このあたりを何度か走っていて、その度に周囲の山林の様子を観察していたが、森林の手入れが十分行われているとは言いがたいようだった。
乱暴な分類だが、針葉樹の場合以下の順で管理が行き届いているといえるのではないか。1)放置
2)皆伐
3)切捨て間伐
4)枝打ち、下草刈り、間伐、搬出
日本の山林の8割は十分な管理がされていないとも言われているが、あきる野市ばかりでなく、隣接する桧原村、日ノ出町、相模原市の山林も同じような状況のようだ。あきる野市周辺の山林は以下の写真のような状態にあり、十全な管理が行き届いているとは言えない。
原生林でなくとも、きちんと手入れをされた山林はそれだけで、十分魅力的な観光資源になるが、手入れがされていない山林や皆伐光景は、その対極の荒涼たる風景でしかな い。
今回の森林整備事業の強化がどの程度の規模と実効性を持つものか分からないが、注視しようと思う。
↑2009/10/18 あきる野市金毘羅尾根北東斜面。三内川上流部の皆伐光景。
伐採された樹木の搬出は容易であるが、伐採地や隣接した林の環境の変化は激しそうだ。
↑2009/10/18 日ノ出町、平井川上流部の皆伐光景。
道路に隣接した南斜面。風、日照、湿度など環境の変化はさらに激しそうだ。
↑2009/3/21 あきる野市峰見通り(=尾根・稜線)、盆堀川支流市道沢付近。
風で根こそぎ倒れてしまった針葉樹。 手入れがされていないためか、下草が繁茂しすぎている。
↑2009/3/21 桧原村、浅間峠~上川乗。杉林での切り捨て間伐の様子。
間伐後の材木が搬出されず伐採地に置かれている。
この林の場合は、切り揃えられて数本ずつ水平に置かれているため、整然として荒れた感じはしない。機能面でも土壌流出の役割を果たしているかもしれない。
↑2009/3/21 桧原村、上川乗付近。杉林での土壌流出の様子。
同じ日の、同じ道沿い。北斜面のため下草が一切なく、土壌が流れ出して根がむき出しになっている。放置された倒木は見当たらなかったが、里に近いため片付けられたのかもしれない。
↑2009/3/14 相模原市、醍醐峠~和田。南斜面の杉林。根こそぎの倒木がそこかしこに。樹木を見ると枝打ちなど施されているが、全体に荒れた感じがする。
(2010/5/1 アップ)
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