ここ3年ほどクリスマスというとロースト・ターキーだったので、今年は久しぶりにロースビーフにしてみた。
肉は近所のハナマサを何ヶ所か回り、オーストラリア・ビーフのモモのブロック、1.6kgを購入。なんと100g @89円、1,499円! 大丈夫なんだろうかと不安になる安さ!
作り方は、ネットで探したレシピの中から、昔作ったときの記憶に近いものを選び適宜アレンジした。
最初にフライパンで周囲を焼き、比較的低温でローストするものだ。ローストビーフに付き物のヨークシャー・プディングも大好物なのでついでに焼くことにする。
【ローストビーフ材料】
- 牛肉ブロック(サーロイン、テンダーロイン、肩ロース、モモなど)
- 塩、胡椒
- ローズマリー(お好みで)
【グレービー・ソース材料】
- 香味野菜(ニンニク、セロリ、玉ネギ、ニンジン)
- 赤ワイン
- ブイヨン
- 片栗粉
【ヨークシャー・プディング材料】
- 薄力粉(120g)
- ベーキングパウダー(少々。重曹でも可)
- 卵(1ヶ)
- 牛乳(250cc)
- 塩
【ローストビーフ手順】
1.肉は乾燥させないようにラップした状態でしばらく室温に置き、冷え切った芯の部分まで加熱できるように、室温に近づけておく。本当は半日~1日程度置いたほうがいいらしいが、今回は4時間程度しか置けなかった。肉に隙間がないモモのブロックなので、芯の部分の加熱が不十分でも特に問題はないだろう。
↑袋から取り出し、塩、胡椒をしてしばらく置く。今回はローズマリーも加えてみた。通常、ステーキなどを焼くときには、肉が固くなるために、焼く前には塩、胡椒をしない。ローストビーフの場合は、あえて塩、胡椒し、回りを固めてしまうようだ。
肉は皿からはみ出るくらいの大きさ。後で焼き上がりと比較して見よう。
↑置いているうちに、肉の下に敷く香味野菜をカットする。ニンニクは薄皮を剥いたら丸のまま包丁で軽くつぶす。
↑フライパンに油を引き、肉汁が溢れ出ないようにするため、周囲に焼き目を付ける。
↑周囲に焼き目のついた肉塊を、香味野菜のベッドに乗せる。170℃で50~60分。途中で一度裏返す。
↑50分たった時点で、肉の真ん中に金串を挿し、肉汁の透明度と肉の真ん中の温度を見る。温度を見るときは、抜いた串を下唇の下に当てる。70~80度位になっていれば良い。肉汁が少し濁っていて赤く、温度も少し低かったので10分ほど加熱を続けた。実は金串が見当たらなかったので竹串にしたのだが、熱伝導率が低いので、温度が良く判らなかった。少し低かったかもしれない。
焼いている途中は、肉と香味野菜から、もの凄くいい香りが漂ってくる。
↑出来上がり。皿から溢れるくらいだった肉は2回りほど小さくなっている。この後フォイルで包み、余熱を逃がさないようにしつつ、自然に温度が下がるのを待つ。周囲を焼き固めたせいか、肉汁はあまり溢れていない。
いずれにしても焼いた直後にカットするのは厳禁。最低でも15~30分置かないとうまみを含んだ肉汁が溢れ出てしまう。
香味野菜を切ったり敷いたりしたので少し面倒だが、基本は塩、胡椒して焼くだけというシンプルな料理。150gのステーキにして約10枚分、ローストビーフにして約20枚分が、わずか1,500円で、しかも簡単に作れてしまうことを考えると、費用対満足度はもの凄く高いと思う。
【グレービー手順】
まず、肉を取り出したオーブン皿に赤ワインを注ぎ、こびりついた肉汁を加熱しながらこそげ落とす。
↑フライパンに移し、塩、ブイヨン、水分などを加えさらに煮詰めていく。隠し味で醤油を少し足してみた。
↑香味野菜をシノワ(上の写真の道具)やザルなどで漉し、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけたら、グレービーソースの出来上がり。
後はお好みで、ホース・ラディッシュの摺りおろしなどを添えるが、我が家の場合は家人がホース・ラディッシュを好まないので、クレソンを添えるつもり。
【ヨークシャー・プディング】
ウィリアム・モリス研究家であり、晶文社の役員でもあった故小野ニ郎氏の、イギリス食文化の論考に触れてから、プディングやハギス、パイの類が妙に好きになってしまった。日本のレストランではなかなか味わう機会がないヨークシャー・プディングもその一つ。
正直なところ、ヨークシャー・プディングの付いていないロースト・ビーフは、特に好きという訳ではなく、ヨークシャー・プディングを食べるためにロースト・ビーフを作っているような気もする。
ヨークシャー・プディングもいろいろな作り方があるようだが、私が好きなのはグレービーを加えるタイプ。
↑材料の薄力粉は、ベーキングパウダー、塩を加え、網でふるっておく。卵を加え、半分量の牛乳を加えかき混ぜる。
焼きあがって皿に取り出しておいた肉から、にじみ出た肉汁(グレービー)を加える。先ほど作ったグレービー・ソースを加えても良い。
残りの牛乳を加え、空気を含むように泡だて器を使って混ぜる。濃度といい色といい、もんじゃ焼きを思い出す。つまり結構シャブシャブ。
この間にオーブンを200~210度で予熱しておく。
↑適当な型に流し入れ、200~210度で、表面が狐色になるまで20~30分焼く。うまく行くと、麩菓子のように、「プワー」「サクッ」という感じで焼きあがる。型は今回はマドレーヌ型(写真)とプディング型を使った。
↑出来上がり。ベーキングパウダーが少なかったか、卵が足りなかったか、はたまた温度が低かったか、ふんわりもさっくりもイマイチだったが、まぁいいだろう。
本日は明日のクリスマス準備なのでここまで。味の方は明日レポートします。
<12/24 追記>
切ってみたところ、ご覧のとおり中は期待通りのきれいな赤色だった。少し筋が入っており、その部分が硬かったが、味は文句なしで、子供達もお代わり続出。ローズマリーがにじみ出た脂とマッチして、食欲をそそるいい香りを出している。5人が3枚以上、15枚以上は切ったが、まだ半分残っていて、量的にもちょうど良かった。
塩を振るだけで十分美味しかったが、グレービーソースとの相性も良かった。
ホース・ラディッシュを売っているところが少なく、買いそびれてしまったので、チューブ入りわさびと、すりおろしたしょうがに生クリームを加えホイップした代用品を作ったのだが、十分行ける味だった。
ということで、@89のデフレ価格でも、満足度は大インフレで、全く問題なくいただけました。