1/2は、桐生のすぐ近くで開催されるレース「第3回 仙人ヶ岳トレイルランレース」のコースを試走してみた。
大会のコースは足利市の小俣川の上流一帯がフィールド。猪子トンネルからスタートし、最初に舗装路を5km程走り、500m弱の石尊山、深高山を越え、662.9mの仙人ヶ岳に続く尾根を進み、谷筋を降りて岩切でフィニッシュするというもの。距離は17.3km。
男性5kg、女性3kgのお米を背負って走るボッカレース(ボッカ=歩荷=荷物を背負って山を登ること)だが、ボッカとしては5kgは軽いほうだ し、距離も短め、累積標高差もプラスマイナス1200m程度と、あまりハードではないのではないかと思い、3時間強の予定で、平地換算7km/hで予定を 立てた。
(↑予定)
結果から言うと想像以上にハードで、実際のラップタイムは14.93分/km(ネット)と遅く、4時間以上もかかってしまった。
(↑実績: 断面図に記載してある時間は、トータルの時間のみ実際の所要時間と合わせています。区間毎の所要時間は実際とは異なります)
【アプローチ】
↑桐生からは車で20分程。渡良瀬川沿いの小俣から、小俣川に沿って遡っていくと、石尊山が正面に見えてくる。手前の崖は採石所のようだ。
レースのスタート地点は、もう少し先の猪子トンネル東出口。今回はフィニッシュ後に車に戻る際、疲れた足で坂を登るのがためらわれ、フィニッシュ地点の岩切に車を置くことにした。路傍に登山者のものらしい車が数台停めてある。
岩切の道脇に、ハイキングコースの看板があった。今回のレースとまったく同じコースのようだ。
クリスマスプレゼントに貰ったオレンジ色のファイントラック・ドラウトセンサーを初めて着用。下は半ズボンのつもりだったが、あまりの寒さに長ズボンに着替え直した。(↓)
【試走】
10:05に走行開始。トンネル方面に進み、半分程行ったところで引き返す。まずはウォームアップを兼ねて、ジョグ程度のスローペースで進む。
序盤は下り基調の舗装路を5km少し進む。石尊山の登りの渋滞を避けるために、今年から付け加えられたらしい。日向を走っているうちに徐々に身体が温まってくる。試走の時は1/2の10:00スタートだが、レースは3/28の8:00スタート。舗装路には陽が射しているだろうか・・・
左に見ていた小俣川を叶花橋(かのうけばし)で横切ると、まもなく石尊山の登山口。
叶花橋周辺はカタクリの群生地らしい。
橋を渡って100m程進むと、左手にお寺のようなものが見えてくるので、左に直角に折れる。
折れずに少し先に進むと、変な所に「石尊山登山口」の案内板がある。そこまで行っても田んぼの畦道があるだけなので、行き過ぎ。
やや左、灯篭門の間を進んで行く。灯篭には「奉献石尊宮」と彫ってある。地図を見るとお寺のようだが、神宮寺のようなものなのだろう。ここまで38分経過。
トレイルの安全を祈願して、立ち寄ってしばしお参り。お寺さんなのだが、なんとなく二拝二拍手をしてしまった。
お宮を過ぎるとすぐに杉木立のトレイルが始まる。
トレイルというよりは参道なのだろう、しばらく行くと「女人禁制」の石柱がでてきた。
さらに行くと「十七丁目」の石柱。結構急な坂なので、「何丁目まであるのだろう」、「これは地獄の○丁目なのか?」、「そもそも地獄は何丁目まであるのだろう」、「9(苦)×4(死)=36丁目だろうか?」などと考えながら気を紛らわせて上っていく。
坂には4つほど石柱を見かけたので、地獄?が何丁目まであるかを調べておくと、目安になって良いだろう。
石尊山の名前通り、稜線に出ると花崗岩だろうか、転ぶとザクッと切れそうな角の尖った岩だらけになる。
「釈迦岩展望」(※1)、「山姥の腰掛け」など、岩の名前が面白い。
釈迦岩(※1)からは、採石場が見下せる。
《※1 以下2010/12/16追記》
Jognote仲間のぉが☆ちゃんに教えてもらったのだけれど、「釈迦岩展望」というのは、この岩自体が釈迦岩なのではなくて、「釈迦岩が展望できるところ」という意味だそうです。ぉが☆ちゃん曰く「姿は見えども、辿り着けない不思議な岩」らしい。
下記を参考に調べてみたら、足利の石尊山は昔「鳴山(鳴動山)」といわれていたそうで、1500年ほど前に五色の雲と大きな鳴動、豪雨が1週間続いた後、大きな岩が山頂に現れたとのこと。この岩は以来村人の信仰の対象となり、後に釈迦岩と言われたそうで、地域の石尊信仰そのものである大切な石だったんですね。
参考資料:「電撃! 激坂調査隊が行く」より「補足説明―数ある石尊山と石尊信仰の広まり」
《追記以上》
石尊山の奥社。年配の登山者が扉を開き、ノートに記帳されていた。横で拍手をしていたところふと不安になってお宮かお社かお聞きしたところ、地元のベテラン登山者の方らしく、いろいろ教えてくれた。
3月のレースではスイーパーをつとめるとのこと。昨年姪御さんが参加したところ「結構ハード」という感想だったという。是非参加するように勧められた。参加人数が増えてきたので、石尊山の登りの渋滞を避けるために、舗装路を付け加えたらしい。
石尊山から深高山にかけての稜線からは、赤城山、浅間山、蓼科、八ヶ岳、富士山、筑波山まで良く見渡せるらしい。この日は山際が曇り気味で、微かにしか見えない。
赤城山だけは近いこともあり良く見えた。
奥社から先はなだらかな起伏の走りやすい道になり、山頂まですぐに着く。1h21分経過。上り坂に予想以上に時間がかかった。
石尊山から深高山の間は、このコースの中でもっとも快適な、土+落ち葉のトレイル。
笹のトレイルは赤木の山を思わせる。
20分もかからず、あっという間に深高山についてしまい、少しもったいない気がする。経過は1h40分
深高山から猪子峠にかけては地図と実際のトレイルが少し異なりわかりにくい。この看板には表示されていない、斜め下の道を進む。
目印はこの黄色い標識。
道なりに進むと、舗装路が見えてくる。舗装路には降りず、沿う感じでトレイルを進む。25,000分の1の地形図には、途中からトレイルは表示されていない。
道なりに進むと、すぐに猪子峠に出る。山中で十字路になっているが、やはりレースコースは25,000分の1の地形図には表示されていないので注意。このあたりから仙人ヶ岳までの稜線も表記されていない。2h4分経過。
まっすぐ突っ切り、正面の急坂を登る。
しばらく進むと稜線に出る。右側に送電線が見えてくるので、その先に松田川ダムがあることが窺える。
小さなアップアンドダウンを繰り返すうちに、松田川ダムを見下ろせる地点に出る。
松田川ダムが見える地点から先は、岩だらけの馬の背の稜線が続く。足の置き場に困る場所もある。こんなところを走る人がいるのだろうか・・・。
この正月は日本海側は荒れ模様の天気とのことで、稜線に出ると風が強い。風に顔を背けつつ後ろを振り返ると、遠くに筑波山がきれいに見えた。
わかりにくいけれど、岩壁がそそり立って行く手を阻んでいる。まるで南画の世界。プチ南画ではあるけれど・・
右に進むと、大きく巻く道。ただし大きく下ってしまうので、左に進む。道が途切れたので上を見ると60~70度程の鎖場。冷や冷やしながら上った。
崖を過ぎると小学生が作った「犬帰り」という看板があった。この辺りの小学生はここまで来るのか・・・すごいもんだ。
想定外のハードさに、途中でエスケープしたくなる。仙人ヶ岳山頂だと思ったら、標高561mの小ピーク。まだまだ2/3くらいの地点だった。
帰路の分岐点「熊の分岐」につく。既に3h33を経過し、予定時間をオーバー。先に進むか逡巡したが、徒歩でも往復40分なので思い切って進む。小休止しながらアミノバイタルのジェルを摂取。とたんに元気が出て、坂を駆け上れてしまい、愉快になってきた。
仙人ヶ岳付近の巨樹の根元にできた洞。ビバークできそう。
たった662.9mのなだらかで優しい姿の山だが、アプローチによっては結構キツく、仙人ヶ岳と言う名前に納得がいった。3h53分経過。
再び熊の分岐に戻り、帰路は谷筋に降りる。経過4h3分。
ところどころ岩がちだが、スピードを抑えれば走れるコース。
岩陰に抱かれるように建つ不動尊。
夏には気持ちよさそうな滝もある。
ダブルトラックになると、ゴールは間近。
フィニッシュの岩切には4h36分で到着。写真、登山者との会話、休憩など18分を除くと実走で4h18分。岩きりには小さいながらも広場がある。この辺りが会場になるのだろう。
全部で10組程の登山者と行き違ったが、ランナー姿の人を一人だけ見かけた。
【本日の走行データ】
- 走行距離 17.3km (大会表示)
- 走行時間 (グロス/ネット) 4時間36分14秒/4時間18分14秒
- 平均ラップ 14.93/km(ネット)
- 平均速度 4.02km/h(ネット)
- 最大心拍 181
- 平均心拍 153
- 運動強度 5.0(MAX5.0)
- 消費カロリー 2,275Kcal(スント計測)
【本日の補給食、サプリ】
《朝食》
《スタート前》
《走行中》
- ハイドレーション(アクエリアスゼロ 1,300cc(消費1,000cc)
- アミノバイタル ジェル 1袋(100Kcal)
- アミノバイタル 2200 1袋
【本日のウェア、ギア】
- バックパック: グレゴリー・スティミュラス 5L
- シューズ: モントレイル・ハードロック 08モデル
- ジャケット:ファイントラック・ドラウトセンサージャケット
- シャツ: パタゴニア・キャプリーン2 ジップフロント・ロング
- アンダーシャツ: ファイントラック・スキンメッシュ Tシャツ
- パンツ: コロンビア・チタニウム・ロングパンツ
- 靴下: スマートウール・PhD・トレイルラン・ミニ
- 手袋: モンベル・フリース手袋
- 帽子: スマートウール・ヘッドライナー
- サポートウェア: スキンズ・ハーフタイツ ホワイトカモ
- ハイドレーション:ブラティパス・水筒タイプ 2L
- 計測用具: スントt3c(ハートレートモニター、フットポッド)
- メディカルセット(簡易版)、エマージェンシーセット
【本日の費用】